12日(7日目)
いよいよ準決勝。舞台は大田スタジアムに移し、相手は学童野球の王者。全日本学童軟式野球大会、通算5度の優勝を誇る長曽根ストロングス。過去、練習試合を含め4度ほど対戦をしているが、勝ったことはなく、点数も1点しか取ったことがない最強の相手。しかし相手のミスのない野球に0対1と惜敗。
試合後、球場の外で監督から選手にねぎらいの言葉が…
それを聞き、高野山旗決勝で負けた時でも『おれたちの夏はまだ終わっていない。最大目標は全日本学童』と涙を流さなかった6年生も、ここでは大粒の涙が…
最大目標であった全日本学童での全国優勝。それを成し遂げられなかった悔しさ。いろいろな思いが交差をし涙が止まらない。
監督からお父さん、お母さんに語られた涙ながらの言葉にお父さん、お母さんも大粒の涙が…
最後に監督が選手に、お父さん、お母さんに感謝の言葉を言ってきなさいと、選手がお父さん、お母さんの元に。
そして泣きながら『ありがとう』の言葉に、お父さん、お母さんも込み上げるものが止まらない…
この場にいたお父さん、お母さん全員が、『フリッパーズで野球をやらせて良かった』と心の中で思っただろう。
最後に、お父さん、お母さんからいつも見ることができない監督、選手に向けて、涙の『東京音頭』を傘を振りながら大合唱…
これがフリッパーズに関わる全員の『世界で一番熱い夏』が幕を閉じた瞬間……
そしてまた後輩たちに夢を託した瞬間……
そしてホテルに戻り、着替えた後、向かいにある東京都庁の展望台へ。高層階から見る東京の風景に選手たちは大興奮。
その後、都庁の広場で、お父さんが鬼になり鬼ごっこ。普段鍛えている子供たちには太刀打ちできず、息を切らすお父さんたち。
夕食はお疲れさん会を兼ねて、子どもたちと一緒にまったりと…
途中から帯同したお父さん、お母さんは初日に神宮球場でのプロ野球観戦をしていないことから、本場の東京音頭を見たいと神宮球場へ。
様々な思いを胸に東京最後の夜は更けていきました。
13日(8日目)
大田スタジアムで長曽根ストロングスの応援をしながら決勝戦を観戦。
一生懸命応援をしておりましたが、選手たちは自分たちがグラウンドに立って試合をしたかったという思いが顔から滲み出ていました。
緊迫した試合で、長曽根ストロングスが1対0のサヨナラ勝ち。ピッチャーは完全試合達成。
フリッパーズの野球が全国でも引けを取らないと再確認できた試合でもありました。
閉会式終了後、長曽根ストロングスさんのご好意でジャンパンファイトならぬ炭酸ファイトに参加させていただきました。
選手たちは大喜びで長曽根ストロングスを祝福。最後に選手全員で記念撮影をしました。
そしてバスに乗り羽田空港へ。荷物を預けた後、お土産を買う時間が少しあり、今まで買えなかったお土産を選手のみんなは買っていました。
飛行機に乗り込み、一路札幌へ。新千歳空港に着陸した後、機内アナウンスで『東16丁目フリッパーズの皆様。 高円宮賜杯第36回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント 第3位おめでとうございます。またのご活躍を心より祈念しております』と高野山に続きアナウンスが…
そして出口の外にはお父さん、お母さんお手製の第3位おめでとうの横断幕が…
8日間の旅を終え、振り返ると、選手たちは札幌支部予選から日に日に成長していったと思います。
一人ひとりが自分の役割を把握し、チームとして機能させていったこと。
そして団幕にも書いてある『信じる力、仲間を、そして自分を!』を実践できたことがフリッパーズ初の3位という結果につながったのではないかと思います。
6年生はこれを一区切りとし、これから新たな道に進んでいきます。5年生以下は6年生が成し得なかった全国優勝を目標に邁進していってください。
そして今でも目をつぶると、8日間の情景が走馬灯のように浮かび、聞こえてくる。
『君がいた夏は遠い夢の中 空に消えていった打ち上げ花火』 完